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あゆ
今月の旬食・あゆ
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  • 今月の旬食

    あゆ

    あゆは日本で古来より人々に愛されてきた夏を告げる淡水魚です。北海道西部から沖縄まで広く分布します。あゆは川魚のイメージですがサケ目に属するため、秋に川の下流で産卵し、生まれてすぐに海に下り、半年ほどを海で過ごした後、春になると海から川へ遡上を始めます。「蕎麦の花が咲けばあゆが下り始める」ということわざがあり、産卵のために川を下ることから「アユル(落ちるの意)」に由来する説があります。他にも神前に供える食物であるというところから「アエ(饗)」に由来するなど諸説あります。漢字では魚偏に占うで「鮎」ですが、中国では鯰(なまず)を意味します。何故、鮎(アユ)と読むようになったかは、「日本書紀」において神功皇后や神武天皇が武運を占った魚だったことから「鮎」になったとも言われています。あゆは「清流の女王」とも呼ばれ、初夏になるとあゆ釣りの解禁がニュースになるほど、釣って良し、食べて良しの季節を味わう、日本を代表する魚と言っても過言ではありません。

  • 主要産地
  • あゆのおすすめポイント

    美味しいあゆの目利き

    あゆは天然と養殖のものに分かれます。天然ものは貴重なため高価で取引され、スーパーなどでは見かけませんが、旬になると養殖ものは手ごろな値段で店頭に並びます。シーズンは5~6月の稚鮎から、7月頃から夏に旬を迎え、10月落ち鮎まで比較的長く流通しますが、一般なあゆは7月末ごろまでは小骨が柔らかく、頭から食べられます。あゆを選ぶ時は全体に張りがあり、特に腹回りが引き締まったものを選びます。また、体色は色味がはっきりしているものが良いですが、養殖ものは全体的な色合いが薄いので、目の透明感やエラの鮮やかさを確認すると良いでしょう。

  • あゆのおすすめポイント

    あゆの美味しい食べ方

    あゆは「香魚」の別名の通り、スイカやキュウリのような香りがすると言われています。清流に生息し、川底や岩についた藻を食べて育つため、天然ものは産地によって味や香りが異なります。養殖ものは香りが期待できませんが、身質や脂乗りが安定しています。あゆは塩焼きが最も有名な食べ方ですが、上品で淡白な味わいなので、バターソテーやムニエルでも美味しいです。骨まで味わえるあゆなので趣向を凝らして、オリーブオイルで煮たコンフィやアクアパッツァにしても非常にお勧めです。

  • あゆのおすすめポイント

    あゆの栄養価と効果

    天然と養殖のどちらも有名なあゆですが、養殖の方が栄養価は高いと言われています。血液をサラサラにするEPAやDHAを多く含み、内臓にはビタミンAやEが豊富に含まれています。特に養殖の鮎に多く、1匹で1日に必要なビタミンAの約80%を摂取することができるほどで、ビタミンの宝庫です。さらに骨まで丸ごと食べられる魚なので、頭と中骨を除いてもイワシの3倍以上のカルシウムを摂取出来る栄養満点の魚です。

  • 今年のあゆの出荷情報

    今年の出荷情報

    あゆの遡上数は降水量と密接な関係性があり、日本全国の昨年から今年の天候から、これまでのところ、例年通りあゆが各地で楽しめることが予測されています。しかしながら、これからのシーズンの猛暑によっては、気温の上昇によるあゆの夏バテなどの懸念があり、少し早めの旬を楽しむことをオススメします。特に7月の若いあゆは、実も骨もやわらかくて抜群に美味しいと言われています。

  • ウェザーニュース長期予報

    ウェザーニュース長期予報

    産地は7月半ば以降に順次、梅雨明けを迎える予想です。夏は晴れる時期とぐずつく時期がありますが、降水量は平年並の予想。今年も昨年並みの猛暑になる可能性があり、夏にかけて気温が平年より高く、河川の水温も高めで経過する予想です。あゆは生育可能な水温の幅が広いため、生育に大きな問題はなさそうです。ただ、厳しい残暑で秋に水温の低下が鈍ると産卵への影響が懸念されます。

  • 「滋賀県・栃木県・茨城県」特産地の気温(平年差)

    「滋賀県・栃木県・茨城県」特産地の気温(平年差)

    名産地では気温が平年より高い状態が続いています。この先、夏にかけても平年より高い気温が続き、観測史上最も暑くなった昨年の夏に匹敵するところもあります。この影響で河川の水温も高くなりそうです。水温があゆの適水温の25℃を超える河川もありますが、あゆは生育可能な水温が13~30℃と幅広いため深刻な影響はないと考えられます。

  • 「滋賀県・栃木県・茨城県」特産地の降水量(平年比)

    「滋賀県・栃木県・茨城県」特産地の降水量(平年比)

    関東では4月の降水量が少なかったが、5月以降は平年を上回る降水量があり、今シーズンの降水量は遡上に問題ない量です。夏の降水量はほぼ平年並の見込みで(※西日本日本海側は平年並~多い)、降水によって河川の水量が例年と大幅に変化することはなさそうです。

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