脂ののった身のしまった さば
秋に旬をむかえるさばは全国各地で水揚げされ、日本では大変なじみのある魚。この時期は秋さばと呼ばれ、「秋さばは嫁には食わすな」という諺もあるほど美味しいと言われています。日本で食べられているのはマサバ、ゴマサバ、ノルウェーサバの3種類。一般的にさばと言えば、マサバの事を指します。漁獲量が1 番多いのは茨城県。特にこの時期に三陸沖と千葉県の銚子辺りで水揚げされるマサバは脂がのって絶品です。地域で旬と脂の乗り方に大きく差があるため、神奈川県の「松輪さば」、青森県の「八戸前沖さば」など、地域ごとのブランドさばもたくさん存在しています。
さばは健康に欠かせない、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどがたっぷり。鉄分も豊富で貧血の予防には欠かせません。また、青魚の中でも多く含むDHAとEPAの効果で、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げ、動脈硬化を防ぎます。旬の新鮮なものを食べて上手に摂取しましょう。
痩せるホルモンGLP-1が多く分泌されている人ほど痩せやすい体質、またその逆は痩せにくい体質と言われています。特に旬の秋さばは、GLP-1を効果的に分泌させるEPA が豊富なため、ダイエット効果が期待できる食材です。EPAが小腸で作用し、GLP-1を出す細胞を刺激します。
さばの鮮度の良さを見分けるポイントは5 つあります。①胴から尻尾の先まで全体的に丸みを帯びている、②表面の模様や色が鮮明、③目が透明で澄んでいる、④エラの色が鮮紅色、⑤切り身が身割れしていないです。見た目だけではなく、実際に触ってハリをチェックすることもお忘れなく。
水温が高かった為、9月~10月は水揚げ量が例年に比べ少なかったものの、資源は安定しており、今後徐々に南下し安定的に漁獲できる見込みです。これから出荷のピークに向かうと予想しています。サバは一般的に、大きいほど脂がのって美味しいとされていますが、4~ 5歳になった一番成長が良い年(2013年~2014年)のサバが、今年の11月に多く水揚げされる予定です。
7月の梅雨時期は短く、月間の日照時間はかなり多くなり、7月8月は太平洋高気圧に覆われ、晴れて猛暑日が継続しました。そのため、気温も海水温も顕著に上昇し、平年よりも高く推移しました。11月以降は、天気は秋特有の周期変化となり、季節は順調に進んでいきます。高かった平均気温も、徐々に平年並みになり、海水温も次第に下がってきます。1月の平均気温は高めの予想で、暖冬傾向という予報が出ています。
サバ(マサバ)は、日本近海では暖流に沿った海域を中心に各地に分布しています。生息する海水温度は「14~17度」とやや冷水温を好みます。春に北上、秋に南下という季節的な回遊を行います。11月上旬のデータを見ると、平年よりもやや高めの海水温となっており、14~17度の域はまだ、やや北側に位置していますので、これから水温が下がり、サバの回遊も南下してくると考えられます。
特産地の茨城の気温の推移を見てみると、夏は平年値を大きく上回っていますが、9月以降は、徐々に落ち着きながら平年値に近くなり、順調に季節が進んでいきます。今後も大きな天気の崩れはなく、安定した漁と、漁獲も期待できると思われます。
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