「1日1個のりんごで医者いらず」といわれているりんご。りんごの原産地は、中央アジアの「コーカサス山脈」と、中国の「天山山脈」を中心とした山岳地帯と考えられており、ここから世界各国へ伝播しました。私たちが現在食べている西洋りんごは、明治4年に開拓次官 黒田清隆がアメリカから苗木を購入し、東京の青山官園に75種のりんごを植えたのがりんご栽培の始まりとされています。たくさんの種類があり、味はもちろん大きさや色、形などさまざまです。世界では約15,000種、日本では約2,000種類、出荷量1位の青森県内では約50種類を栽培。その内約40種類が市場に出荷されています。
甘くておいしいりんごには、体にうれしい栄養素がたくさん含まれています。ビタミンA・B・C、カリウム、たんぱく質、ポリフェノール、ペクチンなどです。カリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑制し、血圧を下げる作用があります。水溶性の食物繊維であるペクチンは、整腸作用や下痢を予防する効果があります。
美味しいりんごを選ぶポイントを3つご紹介します。1つ目は形がよく、赤く色づきがいいもの。色艶が良いりんごは甘みが強く、味も濃いとされています。2つ目はおしりの部分(果実の下の部分)が深くくぼみ、変形していないもの。3つ目はツルが太く、ツル元(果実の上の部分)が深くくぼんでいるものが良いでしょう。
りんごは収穫した後も呼吸をし、水分を発散しています。長く保存していると果肉成分を消耗し、水分が抜けてしまい、やわらかく食味が悪くなってしまうため、水分の蒸発を防ぐためポリ袋(0.03~0.05ミリの薄めのもの)で密閉し、冷蔵庫で保存しましょう。長期間保存する場合は、りんごを新聞紙に包んでからポリ袋に入れます。
参照先:りんご大学
昨年は台風の影響により落果やキズ果が多く、平年を下回る出荷量となりましたが、今年については産地によっては春に霜や雹の影響を受けているものの、概ね順調に生育しており、今後の天候によりますが、前年をやや上回る出荷量となる見込みです。また、主産地の青森では、夏場の晴天・高温により、糖度が平年より高い傾向にあります。
りんごの産地である青森と長野は、天候的に同じ傾向となっています。春と秋は降水量が少なく日照が多かったので、りんごの生長に良い天気となりました。今後の天候は、秋特有の晴れと雨を繰り返す、周期変化となります。台風の心配はあるものの、10月、11月ともに秋晴れの日が多くなりそうです。
りんごの生長には、春と秋の日照が重要となります。特産地の青森は、春は平年以上の日差しでりんごが生育し、秋の日差しも平年以上となっています。りんごは日光を多く受けるほど甘くなりますので、今年は品質の良いりんごが期待されます。長野県も、順調に生長しているそうです。7月下旬には記録的な日照不足がありましたが、8月9月と平年かそれ以上の日照となりこちらも、甘く美味しいりんごとなりそうです。
春と秋に降水量が多いと、さびの原因となったり、土の養分が流されてしまいます。青森県は、平年を大きく上回るような降水量はありませんでした。長野県は、8月に台風10号で大雨となった日があり、その後も前線などで曇りや雨が多くなりました。逆に9月以降は雨が少なく、日照が多くなり、りんごに良い天候となりました。今後についても、平年並みくらいの降水量となりそうで一安心と言えます。
その他の旬食素材
旬食予報アーカイブ