ほたてはウグイスガイ目イタヤガイ科に分類される直径20cmほどの大きな殻に入った二枚貝です。能登半島以北の日本海沿岸、千葉県以北の太平洋沿岸、千島列島などに生息しています。主な産地は北海道や青森県で、東北から北で多く収穫されています。天然物のほたては北海道が漁獲量の大半を占め、養殖物のほたては青森県が1位です。一般的に流通しているほたてのほとんどが養殖されているもの。養殖は通年を通じておいしく食べることができますが、サイズは冬期が最も大きく、貝柱が大きく育ち食べ応えがあります。ヒモと呼ばれるほたての周囲をぐるりと囲んだびらびらした部分に小さな黒い斑点がありますが、この黒い斑点が実はほたての目です。その数はおよそ60〜120個と言われています。
新鮮なホタテは貝柱の身が厚く透明感があるもがおすすめです。二枚貝のまま購入する場合は、口が少し空いていおり、触るとすぐに口を閉じ、しっかり閉じて再度触っても開かないものを選びましょう。また、活きのいいホタテはヒモの部分が殻にしっかりとくっついています。貝柱のみで売られている場合は、艶があってプリっとしているものを選びましょう。
殻付きホタテは殻から貝柱、ヒモ、卵の部分をはずしきれいに洗ったら薄い塩水にさっとくぐらせ水分を拭き取り、ひとつずつラップに包みます。その後冷蔵保存の場合は、乾燥させないよう気をつけチルドで保存してください。新鮮なホタテは冷蔵2日目までお刺身でも食べることができます。冷凍保存の場合は、ファスナー付き保存袋に入れて保存を。1ヶ月を目安に食べてください。
ホタテは低カロリーで高たんぱく質なヘルシー食材としても知られています。栄養も豊富で中でも注目はビタミンB1とタウリンをたくさん含んでいることです。ビタミンB1は疲労回復効果が期待できます。タウリンは消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きをしてくれるほか、心臓や肝臓の機能向上、視力の回復、高血圧の予防などうれしい効果がいっぱいです。
参照先:macaroni https://macaro-ni.jp/67706、https://macaro-ni.jp/78136
近年日本のほたては中国をはじめとする海外で高い需要があり、冷凍ホタテの相場の高騰が顕在化しています。円安の影響も相まってほたての価格が益々上がっており、今年の旬はお財布に厳しいシーズンとなりそうです。しかしながら、ほたての肉厚の歯応えや食感は例年と変わらず良好ですので、網焼きや刺身などで、是非ほたての美味しさをダイレクトに楽しんでください。
ほたてが産卵をする4月の海水温は、平年並みで推移していました。7月に日射量が多くなり、気温も高かった影響で海水温が平年よりかなり高くなりました。風も弱く、下層の断水もあり秋までは高い状態が続きました。冬は強い寒気が入り、日本海側を中心に雪や雨のところが多くなり、気温と海水温は平年並みとなる見込みです。
ほたての産卵期である4月以降、ほとんどの月で気温は平年より高い状態が続きました。
特に7月~9月は日照時間が多いことに加え、海の下層の暖水の影響もあり、名産地近海では平年より海水温が高い状態が長期間続きました。
ほたては冷水を好み、高温が苦手です。海水温が20度を越えると成長や生存に影響が出ると言われています。2022年夏、特産地の海水温は非常に高い状態でした。梅雨時期に雨が少なく日射量が多くなり、夏の気温が高く、海の下層に暖水が入りこんだこともあり、ほたてにとっては非常に厳しい高温となりました。秋になっても、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高い状態が続いていましたが、10月に入りようやくほたてに影響のない海水温となりました。
その他の旬食素材
旬食予報アーカイブ