ホタテはウグイスガイ目イタヤガイ科に分類される直径20cmほどの大きな殻に入った二枚貝です。能登半島以北の日本海沿岸、千葉県以北の太平洋沿岸、千島列島などに生息しています。主な産地は北海道や青森県で、東北から北で多く収穫されています。天然物のホタテは北海道が漁獲量の大半を占め、養殖物のホタテは青森県が1位です。一般的に流通しているホタテのほとんどが養殖されているもの。養殖は通年を通しおいしく食べることができますが、天然のホタテの旬は5月〜9月、貝柱が大きく育ち食べ応えがあります。ヒモと呼ばれるホタテの周囲をぐるりと囲んだびらびらした部分に小さな黒い斑点がありますが、この黒い斑点が実はホタテの目です。その数はおよそ60〜120個と言われています。
新鮮なホタテは貝柱の身が厚く透明感があるもがおすすめです。二枚貝のまま購入する場合は、口が少し空いていおり、触るとすぐに口を閉じ、しっかり閉じて再度触っても開かないものを選びましょう。また、活きのいいホタテはヒモの部分が殻にしっかりとくっついています。貝柱のみで売られている場合は、艶があってプリっとしているものを選びましょう。
殻付きホタテは殻から貝柱、ヒモ、卵の部分をはずしきれいに洗ったら薄い塩水にさっとくぐらせ水分を拭き取り、ひとつずつラップに包みます。その後冷蔵保存の場合は、乾燥させないよう気をつけチルドで保存してください。新鮮なホタテは冷蔵2日目までお刺身でも食べることができます。冷凍保存の場合は、ファスナー付き保存袋に入れて保存を。1ヶ月を目安に食べてください。
ホタテは低カロリーで高たんぱく質なヘルシー食材としても知られています。栄養も豊富で中でも注目はビタミンB1とタウリンをたくさん含んでいることです。ビタミンB1は疲労回復効果が期待できます。タウリンは消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きをしてくれるほか、心臓や肝臓の機能向上、視力の回復、高血圧の予防などうれしい効果がいっぱいです。
参照先:macaroni https://macaro-ni.jp/67706、https://macaro-ni.jp/78136
日本のホタテは近年輸出が好調。昨年は世界的なコロナ禍で需要が激減し、大幅な安価で取引されていましたが、今シーズンは海外の需要が復活し、例年通りの流通に戻りつつあります。今年の夏は天候が不安定であるものの、国内における天然のホタテ漁は稚貝を海に放して2〜4年間成長させる方法が一般的で、短期的な天候の影響は限定的であると思われます。
2021年は平年よりかなり早い梅雨入りが話題になりましたが、特産地周辺への影響はなく6月以降は平年以上の日照があり、気温も高くなっていました。8月には日照も気温も平年並みに落ち着いてきました。9月以降は、秋特有の雨と晴れを繰り返す周期変化の天気となります。10月下旬には北海道で雪の降る日もあります。11月半ばには青森でも雪が降り始めます。
4月~7月は気温が平年よりも高めに推移して、7月は記録的な高温となりました。これにより海水温も高くなっていましたが、8月に入り平年並みに落ち着いてきており、ホタテは問題なく生育しているようです。9月以降も平年並み~やや高めの気温で温暖な傾向は続きそうです。
ホタテの生息水温は-1.5℃~23℃と言われています。18〜20℃くらいが適温とされ、18℃くらいが最も良く、代謝活動が活発になります。左図を見てみると、北海道~青森近海で20℃以下の水温になっており適温であることがわかります。右図は「平年との海水温の差」ですが、今年は宮城県沖で平年よりも水温が平年並み〜やや高めになっていますが、ホタテの生育には大きな影響はないと思われます。
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