旬食予報｜カンパチ

今月の旬食

カンパチはアジ科ブリ属の一種で、同じブリ属のヒラマサ、ブリと共に「ブリ御三家」と呼ばれています。ブリと同じ成長とともにその呼び名が変わる出世魚です。アジ科の中でもヒラマサに次いで大きくなり、中には体長1.8メートルを超すものもいます。世界中の温帯から熱帯の海域に分布する暖海性の魚で、日本近海では北海道の太平洋側辺りまで、日本海側は東北辺りまでを北限とし、沖縄や小笠原諸島に至る日本中の沿岸に分布します。刺身で食べると絶品で、ブリよりも高級魚として扱われることも。天然のカンパチの旬は夏から秋。長崎県、鹿児島県、高知県、福岡県などが主な産地となっています。養殖も各地で行われており、市場に占める養殖物の割合は高く、最も多いのは鹿児島県で全国の約半分を占めています。

美味しいカンパチの目利き

刺身で食べる場合は活〆され血抜き処理がされたものを選びます。頭がついている場合は目が澄んでいるものを選びましょう。小さくても美味しいのですが、２〜４kgくらいのものが食べごろのサイズで、それ以上大きいものは刺身にはあまりおすすめできません。エラ蓋を開けて中のエラが鮮やかな血の色をしているかチェックし、茶色っぽくなっているものは避けましょう。
カンパチの美味しい食べ方

カンパチの脂はブリの様に多くはなく適度に感じられ、鮮度が良いとコリコリとした食感が美味しさを感じさせてくれます。一晩二晩と熟成させると旨みが増す代わりに歯触りが柔らかくなるので、新しい物は薄切りに、鮮度が落ちてきた物はやや厚めに切って刺身にするのがおすすめです。刺身で残った身は南蛮漬けやマリネにすると冷めてからでも美味しく食べられます。
カンパチの栄養価と効果

カンパチに含むDHA、EPAは悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化や糖尿病など生活習慣病の予防効果が期待できます。またビタミンDも豊富で、カルシウムやリンの吸収を助けるとともに、骨の形成を促す働きがあります。アルコールを分解するナイアシンを含んでいるため、お酒を飲む人にやさしい酒の肴です。

参照先：旬の食材百科

旬食情報

出荷カレンダー

昨年から引き続き、新型コロナウイルスの影響から飲食店への出荷が落ち込み、カンパチの需要が激減していますが、今年も天然のカンパチが満喫できる季節が到来です。価格も手頃な価格で楽しめますので、みなさんで食べて応援しましょう！甘みのある引き締まった身が特徴の天然カンパチは、刺身やカルパッチョで食べるのがおすすめです。
ウェザーニュース長期予報

2021年は5月中旬に、平年よりかなり早い梅雨入りとなりました。それにより梅雨明けも平年より早い可能性があります。５月以降の気温は、ほぼ平年並で経過。６月以降は前線の影響で日照時間が平年よりも少なくなったため、各産地近海では海水温も平年より低くなりました。7月にかけても海水温は平年並～低めとなる予想です。梅雨明け後は、晴れて暑い日が多くなり雷雨と台風の接近に注意が必要となります。

「宮崎・鹿児島・高知」特産地の気温（平年差）

2～3月は気温が平年よりも高めのところが多かったのですが、4月以降は「ほぼ平年並」の気温となっています。そのため、海水温も概ね平年並～やや高めの状態となり、各産地近海の温度は天然のカンパチ漁に問題ないようです。
「宮崎・鹿児島・高知」特産地近海の海水温情報

各産地とも、近海はほぼ平年並の海水温となっています。四国・東海沖では前線の影響で日照量が少なく、海面水温が平年よりも低い海域が拡大しましたが大きな問題はなく、どちらもカンパチの生息に適した海水温（20~30度）になっています。