果実の王さまと呼ばれ、贈答品としてもよく利用される高級フルーツ・メロン。原産地は北アフリカで、紀元前2000年ごろから人の手による栽培が始まったといわれています。日本には明治時代にヨーロッパから伝わり、その後日本でも温室による栽培が開始。国内でもさまざまな品種が生み出されています。有名な産地は、北海道や茨城、静岡、熊本など。メロンは皮の網の有無によって「ネット系」と「ノーネット系」の2種類に分けられます。ネット系メロンは繊細な甘みの高級品種が多く、ノーネット系は育てやすい品種が多いのが特徴。上品な甘みと香り、みずみずしくてなめらかな口当たりが特徴の高級メロンの代表格マスクメロンや、果肉がオレンジ色で香り高くジューシーな北海道夕張市特産の夕張メロン、比較的リーズナブルな大衆メロンとして普及したアンデスメロンはネット系メロンです。
丁寧に栽培管理されたメロンは、バランスのとれた形状をしていています。ずっしりと重みを感じさせるメロンは、果実が凝縮されている証です。ネット系メロンの場合、ネットの緻密さや盛り上がりは、しっかりと果肉が育っていることを意味しています。ノーネット系メロンの場合は、黒っぽい斑点やスジの入っていないものを選びましょう。
メロンは完熟すると甘い香りがしてきます。ツル付きの場合は、ツルの部分が枯れてくるのもポイント。ネット系メロンもノーネット系メロンも、おしりの部分がやわらかくなってきたら食べごろです。指で押さえて確かめてみましょう。また、メロンを爪でポンポンとはじいてみて、高く澄んだ音がしたら未熟で、低く濁った音になると食べごろといわれています。
メロンのなかでも果肉がオレンジ色の赤肉系は、抗酸化作用が高いβカロテンを豊富に含まれおり、皮膚粘膜の健康維持などの役割があります。ナトリウムの排泄を促す役割があるカリウムも豊富で、水溶性のカリウムは調理時に水に溶けだし、損失する場合がありますが、メロンは生で食べることが多いので逃さず摂取することができます。
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生育期の気温上昇と適度な降雨もあり、今後の天候次第ですが、6月についても昨年と比較すると順調で、良好な出荷が見込まれています。メロンの大きさも例年よりも大玉の傾向、また、日中と夜温の寒暖差もあるため、とても美味しく仕上がっており、どの産地からも、自信を持って旬のメロンを出荷しています。
6月は梅雨前線の影響で曇りや雨の梅雨らしい天気の日が多くなり、茨城や熊本では大雨の恐れがあります。北海道も低気圧の影響でぐずつく時期がありそうです。7月上旬には梅雨明けして茨城や熊本は次第に夏空になりますが、北海道は曇りや雨の日が多くなりそうです。
メロンは「水はけの良い土壌」で栽培されています。降水量は平年を上回ったり、平年を下回る時期もありましたが、それが長い期間続くような天候ではなかったため、メロンの生育に大きな影響を与えるものではありませんでした。
昼夜の気温差、春以降の強まる日差しで美味しいメロンが育ちます。3月以降は気温が平年より高めで経過。昼夜の寒暖差も十分にありました。日照時間は平年を上回ることが多く、メロンの生育に良い天候となり、各名産地とも美味しいメロンが育っているようです。
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